ネタやら日々の出来事を書きなぐる処。
そういえば最近、双子の影が薄いことに気がついた(今更か)
なので影の薄い主人公・和樹のSSを書いて見たヨ!!
なので影の薄い主人公・和樹のSSを書いて見たヨ!!
「つー訳で情報収集も済んだから、ちょ~っとその辺ぶらぶらしましょーv」
「よっしゃー!じゃあみっちゃん例のお菓子屋いっこー!!!」
「OKだカズハっち!じゃあカズキンに無我!また後でぇ!!」
そう言って、和羽と深鏡さんが人ごみの多い大通りに消えていったのはおそよ数十分前の事だ
残された俺と無我さんは、とりあえずあの2人が帰ってくるまで適当に時間を潰していた
「和樹殿、少々この店に用があるのですが…一緒に来られますか?」
無我さんが指を指した店は、何か見た目が薄気味悪くて凄く怪しかった
「あ~…お、俺は店の外で待ってます;」
「そうですか、では少々お待ちを」
そう言うと、無我さんは何の躊躇もなく店の中へと入っていった
因みに店の入り口やら表には、何かの動物の干物みたいなのやら爬虫類系の生き物がホルマリン漬けにされたビンの様なものが陳列している
これだけだと、まるで黒魔術の専門店みたいな所だった
「…この店に用って…何買うんだ…;?」
店のまん前で待ってるのもなんか嫌だったから、俺はすぐ横の店の壁に背中を預けてボーっとしていた
色んな店の並んだ大通り、行き交う人々
服装や人種を気にしなかったら、まるで俺達がいた町の商店街に良く似ていた
学校帰りとか、よく友達とゲーセンに行ったりコンビニに行ったり
休みの日は、家族で買い物とかにも行ったっけ
「おらリン!置いてくぞ~!」
「あー!待てよイズミー!置いてくなよぉ!!」
物思いに耽っている俺の前を、2人の男の子達が駆け抜けていった
その手に、ボールとグローブみたいな物を持って
『和樹ー!さっさと来ねぇとキャッチボールできねぇぞー!』
『だー!!ちょっとくらい待てって言ってんだろー!?!?』
思い出される、あの頃の記憶
俺が玖音になる前の、平凡な日々
「…あの頃は、当たり前だったからな…」
学校に行って勉強して、友達と馬鹿やったりして遊びまくって
そして帰ったら、夕飯食って風呂に入って…寝る前にゲームとかしたりして
そんな平凡な日々の繰り返しだった
「…もう、戻れねぇんだよな…」
漫画やドラマとかで、「失って初めて分かる事がある」とかよく言ってるけど…確かにその通りだ
平凡だった日常を失って、初めてその日々がどれだけ大切なものかがわかった
…まぁ分かった所で、もうあの頃には戻れないけど
「和樹殿?和樹殿」
「!!あ、む、無我さん…;」
物思いに耽りすぎて、俺は無我さんが隣にいたのに気がつかなかった
…いや、この人は常に気配を消してるから気付かないのはいつもの事だったりするけど
「どうかしましたか」
「い、いや;ちょっとこの町が俺の住んでた町に似てて…昔の事、思い出してただけっていうか…;」
俺がそう言って苦笑すると、無我さんは辺りを見回した
「…確かに、この世界は何処となく貴方の世界に似ています」
「あ、やっぱりそうかな…」
「とても活気に溢れていて、賑やかでいい所です。和樹殿の住んでいた町も、とても良い所でした」
「え?そ、そうかな…//」
俺は少し照れ臭くなって、ガシガシと頭をかいた
何つーか、やっぱ住んでた町を褒められると…その、嬉しいというか…
「そうだ、和樹殿」
無我さんは持っていた紙袋の片方に手を突っ込んで、何かを取り出した
それは肉まんに良く似た食べ物だった
「…えっと…肉まん…?」
「みたいなものです、そろそろ小腹も減ったでしょう」
「え?あ、うん…ありがとうございます」
俺は肉まんもどきを受け取った
そしてそれを一口食べようと思った瞬間、俺の脳裏に一抹の不安がよぎった
「…あの、無我さん」
「何か?」
「この肉まんみたいなの…まさかさっき入ってったお店で買ったのじゃないですよね?」
「ご安心を、それはあの店で買ったものですので」
そう言って無我さんが指を差したのは、例の店の向かいにある小さな出店だった
人の良さそうなおじさんが、あつあつの肉まんもどきを作ってる
「あ、なら安心して…いただきまーす」
噛り付くと、口いっぱいに広がる肉汁と濃厚な味
肉まんとはまた違った味だけど、これはこれで美味しかった
「ん~…うっま!」
「それはよかった」
「あ、いたいた…和樹ー!無我ー!」
「おっまたせー!」
「あ!やっと帰ってき‥・って何だよその大量の袋と箱は!?!?」
「「え、全部お菓子だけど?」」
「ちょ、冗談だろぉおぉぉぉぉぉ!?!?!?」
俺はこの後、むせ返るような大量のお菓子の匂いに吐き気を催しながら帰路に着いた
最後のお菓子の部分はどうでもいいけど、今日は自分の大切なものの事を思い出せて…あの町に行ってよかったと思った
…でも、そう思うと同時に…少しだけ、寂しくもあった
もう二度とあの頃に戻る事は出来ない
悲しいとか辛いとかいう気持ちは、あまりない
けど寂しいという感情は、いつまでも消える事は無かった
久々の3W小話、しかもカズキンの珍しくギャグじゃない奴だぜ(珍しくって)
ただお姉ちゃんでギャグ無しは正直辛い気がする(笑)
因みに無我が入っていった店で無我が買ったのは忍者が調合するお薬やらなんやらの材料だったり‥
とりあえず玖音に成り立ての和樹にとって大切なもの、それは「今まで当たり前に過ごしてきた日々」なのだろうと思って書いて見た
和樹は和羽に強制的に玖音にさせられたから、結構生まれ故郷に依存はあると思うんだ
行こうと思えば元いた世界にはいつでも行ける、だから悲しいとか辛いとか言う気持ちは薄い
だけど、行っても自分と過ごした日々を覚えている人間は1人としていない
自分は覚えているのに、相手は全然覚えていない
和樹にとっては忘れられた事は悲しいとかではなく寂しいと感じてる
だから悲しみとかよりも寂しさの方がより強く心の中にあるんだろうな
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「よっしゃー!じゃあみっちゃん例のお菓子屋いっこー!!!」
「OKだカズハっち!じゃあカズキンに無我!また後でぇ!!」
そう言って、和羽と深鏡さんが人ごみの多い大通りに消えていったのはおそよ数十分前の事だ
残された俺と無我さんは、とりあえずあの2人が帰ってくるまで適当に時間を潰していた
「和樹殿、少々この店に用があるのですが…一緒に来られますか?」
無我さんが指を指した店は、何か見た目が薄気味悪くて凄く怪しかった
「あ~…お、俺は店の外で待ってます;」
「そうですか、では少々お待ちを」
そう言うと、無我さんは何の躊躇もなく店の中へと入っていった
因みに店の入り口やら表には、何かの動物の干物みたいなのやら爬虫類系の生き物がホルマリン漬けにされたビンの様なものが陳列している
これだけだと、まるで黒魔術の専門店みたいな所だった
「…この店に用って…何買うんだ…;?」
店のまん前で待ってるのもなんか嫌だったから、俺はすぐ横の店の壁に背中を預けてボーっとしていた
色んな店の並んだ大通り、行き交う人々
服装や人種を気にしなかったら、まるで俺達がいた町の商店街に良く似ていた
学校帰りとか、よく友達とゲーセンに行ったりコンビニに行ったり
休みの日は、家族で買い物とかにも行ったっけ
「おらリン!置いてくぞ~!」
「あー!待てよイズミー!置いてくなよぉ!!」
物思いに耽っている俺の前を、2人の男の子達が駆け抜けていった
その手に、ボールとグローブみたいな物を持って
『和樹ー!さっさと来ねぇとキャッチボールできねぇぞー!』
『だー!!ちょっとくらい待てって言ってんだろー!?!?』
思い出される、あの頃の記憶
俺が玖音になる前の、平凡な日々
「…あの頃は、当たり前だったからな…」
学校に行って勉強して、友達と馬鹿やったりして遊びまくって
そして帰ったら、夕飯食って風呂に入って…寝る前にゲームとかしたりして
そんな平凡な日々の繰り返しだった
「…もう、戻れねぇんだよな…」
漫画やドラマとかで、「失って初めて分かる事がある」とかよく言ってるけど…確かにその通りだ
平凡だった日常を失って、初めてその日々がどれだけ大切なものかがわかった
…まぁ分かった所で、もうあの頃には戻れないけど
「和樹殿?和樹殿」
「!!あ、む、無我さん…;」
物思いに耽りすぎて、俺は無我さんが隣にいたのに気がつかなかった
…いや、この人は常に気配を消してるから気付かないのはいつもの事だったりするけど
「どうかしましたか」
「い、いや;ちょっとこの町が俺の住んでた町に似てて…昔の事、思い出してただけっていうか…;」
俺がそう言って苦笑すると、無我さんは辺りを見回した
「…確かに、この世界は何処となく貴方の世界に似ています」
「あ、やっぱりそうかな…」
「とても活気に溢れていて、賑やかでいい所です。和樹殿の住んでいた町も、とても良い所でした」
「え?そ、そうかな…//」
俺は少し照れ臭くなって、ガシガシと頭をかいた
何つーか、やっぱ住んでた町を褒められると…その、嬉しいというか…
「そうだ、和樹殿」
無我さんは持っていた紙袋の片方に手を突っ込んで、何かを取り出した
それは肉まんに良く似た食べ物だった
「…えっと…肉まん…?」
「みたいなものです、そろそろ小腹も減ったでしょう」
「え?あ、うん…ありがとうございます」
俺は肉まんもどきを受け取った
そしてそれを一口食べようと思った瞬間、俺の脳裏に一抹の不安がよぎった
「…あの、無我さん」
「何か?」
「この肉まんみたいなの…まさかさっき入ってったお店で買ったのじゃないですよね?」
「ご安心を、それはあの店で買ったものですので」
そう言って無我さんが指を差したのは、例の店の向かいにある小さな出店だった
人の良さそうなおじさんが、あつあつの肉まんもどきを作ってる
「あ、なら安心して…いただきまーす」
噛り付くと、口いっぱいに広がる肉汁と濃厚な味
肉まんとはまた違った味だけど、これはこれで美味しかった
「ん~…うっま!」
「それはよかった」
「あ、いたいた…和樹ー!無我ー!」
「おっまたせー!」
「あ!やっと帰ってき‥・って何だよその大量の袋と箱は!?!?」
「「え、全部お菓子だけど?」」
「ちょ、冗談だろぉおぉぉぉぉぉ!?!?!?」
俺はこの後、むせ返るような大量のお菓子の匂いに吐き気を催しながら帰路に着いた
最後のお菓子の部分はどうでもいいけど、今日は自分の大切なものの事を思い出せて…あの町に行ってよかったと思った
…でも、そう思うと同時に…少しだけ、寂しくもあった
もう二度とあの頃に戻る事は出来ない
悲しいとか辛いとかいう気持ちは、あまりない
けど寂しいという感情は、いつまでも消える事は無かった
久々の3W小話、しかもカズキンの珍しくギャグじゃない奴だぜ(珍しくって)
ただお姉ちゃんでギャグ無しは正直辛い気がする(笑)
因みに無我が入っていった店で無我が買ったのは忍者が調合するお薬やらなんやらの材料だったり‥
とりあえず玖音に成り立ての和樹にとって大切なもの、それは「今まで当たり前に過ごしてきた日々」なのだろうと思って書いて見た
和樹は和羽に強制的に玖音にさせられたから、結構生まれ故郷に依存はあると思うんだ
行こうと思えば元いた世界にはいつでも行ける、だから悲しいとか辛いとか言う気持ちは薄い
だけど、行っても自分と過ごした日々を覚えている人間は1人としていない
自分は覚えているのに、相手は全然覚えていない
和樹にとっては忘れられた事は悲しいとかではなく寂しいと感じてる
だから悲しみとかよりも寂しさの方がより強く心の中にあるんだろうな
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