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ネタやら日々の出来事を書きなぐる処。
2024年04月20日 (Sat)
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2009年10月12日 (Mon)
何だかんだで、多分これで終わるだろうという「死を望む者」シリーズ(もはやシリーズ化)

しかも今回はアレなんだぜ?

本 家 ハ レ タ カ 様 の 挿 絵 付 き !

さぁ野郎共!心の準備は出来てるかい!?!??!

では準備が出来た人は追記をクリッククリック!!

あ、イトル様に番様!!コメントありがとうございましたvv

後程、コメントのお返事させていただきます!!


「っ…ごめん、なさい…ごめんなさぃ…」

そう言い続けながら、君は泣いていた
いつも優しい笑みを浮かべていた表情は、今は後悔と悲しみに染まり
その瞳からは、大粒の涙を流して

「…ごめん…なさぃ…」

君が悪い訳ではないのに
元はといえば、私が…
…私の方が、君に謝らなければならないのに

「角、端‥くん…」

私が背負ってきた枷を、君に背負わせてしまった
深く深く、君の心を…傷つけた
けれど、あの時の私は…心から君に感謝していた
これでやっと、終わる…そう思っていたから

「…あり、がとう‥」

そう言った時、私の意識は闇へと消えた
その刹那、薄れ逝く意識の中で垣間見た…彼の悲痛な顔
…今も、私の目に焼きついて…離れない








を望んだ者の誓い









私はまた”いつもの通り”、深鏡と葉琉を探しにオンワルドへと足を踏み入れた
世界は、何事も無かったように時を刻んでいる

『一応、全てはなかった事にしておいた…まぁ、後はお前次第だな』

この世界へ来る前に言われた、扇架の言葉
世界の事に関して、彼女が一応などという曖昧な言葉を使う事は滅多にない
それに、最後の”お前次第”という言葉…

「…つまり、二度と同じ過ちを繰り返すなという事ですかね…」

今でも鮮明に思い出せる、私のした愚行
私を慕ってくれていた人達を血に染め…親しい友人に、私自身を殺させた
決して消える事の無い、私の記憶に刻まれた惨劇

「…自業自得、と言った所か…と、いけないいけない…」

もうあの出来事は無かったという事になっているのだ
此処で物思いに耽って、感情を顔にでも出していたら…彼等に要らぬ心配をかけさせてしまう
心優しい、この世界の人達に…

「さて、まずは…ん?」

行く先を何処にするかと考えていたら、不意に気配を感じた
あまり遠くではないが、この気配はよく知っている人物だった

「…まさか、いきなり彼…ですか…」

苦笑をもらしながらも、気配のした方へと私は移動した
案の定、そこにいたのは…

「おや、こんにちは。空夜君」

私が最初に手をかけた、彼だった

「!!い、いきなり背後から声かけんなよ;!」

空夜君は私に気付いていなかったのか、私が背後にいた事に相当驚いていた
そしてすぐにマジマジと私を見た

「…怪我はしてねぇみたいだな…」

彼の言葉に、少し心がざわめいた

「…ん?何か?」
「…これ、アンタのだろ?落ちてたぜ?」

そう言って差し出されたのは、所々赤茶けた…小さな袋
私がいつも腰につけている、アメ袋だった

「……ああ、すみません」

私はそれを受け取り、すぐに懐へとしまった

「もう、必要ないかと思っていたんですがね…」
「あ?何が」
「…いえ、こちらの話です」

私はそう言って、空夜君に深鏡達の事を聞いてその場を後にした
扇架が一応と言っていたのは、このアメ袋の事だったのだろうか
私がこの世界に残した、あの惨劇があったという証
玖音自体や、その持ち物は僉神の力の影響をあまり受けない
扇架がこの世界で起こった事象を無に帰したと言っても…私自身やその持ち物に影響は出ない
だから、あのアメ袋はあの場にあったのだろう

(…しかし、引っかかる…)

扇架が言った、あの言葉
たかが小さな袋ごときで、私がどうこうする必要はないだろう

「…他にも、あるという事でしょうかね…」

例え何があろうとも、私は決して感情を表に出す事はないだろう
今の私は、この心の奥底に沈めた闇を…誰かに悟られる訳にはいかない

「…特に君には、知られる訳にはいきませんからね…」

そう言いながら、私は目の前の建物を見上げた
セントラルゲートと呼ばれる、この世界の中心に存在する建物
…私の死に場所となるはずだった、建物だ
あの時は北辰さんとの戦いで、建物の一部が崩落していた
今は全てが元通りになっている

「……さて、早く深鏡達を捕まえて…早々に切り上げるとしますか」

私はセントラルゲートの入り口から、彼等がいるであろう部屋を目指した
早く、早く…と、足早に長い階段や長い廊下を歩き…部屋の前までやって来た
今の私には、この世界にいる事が何よりも辛いことだった
手にかけた人達と顔を合わせるたびに、彼等を手にかけた事を思い出す
そして何より私が恐れている事は…あの時の感情に、心が呑まれてしまう事
それだけは、何としても避けたかった

「失礼、しますよ」

そう言って、私は部屋の中へと足を踏み入れた
その瞬間、あの時の部屋と今の部屋がダブった様に見えた
まるで私に、忘れるなと言うかのように

「サディスさん!いらっしゃいませ」

私が部屋に入ると、角端君が笑顔で迎え入れてくれた
この笑顔を見ると、ついこちらもつられて笑ってしまう

「御機嫌よう、角端君」

そう言って私が微笑むと、角端君は少し目を見開いてこちらを見た

「…角端、君…?」
「ぁ…その、すみません;!今お茶入れてきますから」
「いえ、今日は…深鏡達を迎えに着ただけですので」

苦笑をもらしながら、私はそう言った
本当はこの世界にいたくないからとは、例え口が裂けようとも言える訳が無い

「そう、ですか…」
「また今度、改めてご馳走していただけますか?」
「!!はい!喜んで!!」

私の申し出に、本当に嬉しそうに笑う角端君
あぁ…彼は、なんて無邪気に笑うのだろう
そんな彼に…私は…

「深鏡さん達なら今日はもう帰ると、先ほど此処を出て……サディスさん?」
「!あ、そ、そうでしたか‥すみません」

私は苦笑して、彼の方を見た
深鏡達が帰っているなら、此処に長居は無用だ

「では、私はこれで」
「あ…はい」

いつもの微笑みを浮かべて、私は部屋を出ようと彼に背を向けた
そして部屋の入り口へと足を進めた
入り口のすぐ前まできた時…不意に掴まれた、私の手
後ろを振り返ると、何やら思いつめたような…角端君がいた
さっきまで笑顔だった顔は、今は不安の色が伺える

org00_kageha_collabo10.jpg

























「…角端君?」
「あ…」

角端君は慌てて私の手を離し、「すみません」とだけ言って苦笑した
彼のこの仕草に、私は扇架の言葉の意味を…理解した

「あの…美味しい紅茶葉があるので…また明日、よかったらお茶を…」

彼は恐らく、あの時の記憶を…

「…では、明日は何かお菓子を持ってきましょうか」
「!はいっ!!」

私の言葉に先ほどの不安げだった表情は消え、角端君に笑顔が戻った
その笑顔が、とても愛おしく感じて…つい頭を撫でてしまった

org00_kageha_collabo10_1.jpg

























「?サディスさん?」
「…明日は深鏡達も連れてきますから、みんなでお茶会をしましょう」
「あ、はい!」
「では、失礼します」

私は彼から手を離して、その場を後にした
角端君があの時の記憶を持っているかは、確信は無い
だが、彼のあの不安げな表情
まるで、置いていかれるという不安を抱えた者のソレに…よく似ていた
あのような表情は、心に不安を持った者にしか出来はしない
彼にあの時の記憶が消えているのなら、あんな顔をする筈は無いのだ

「後は私次第とは、そう言う意味でしたか…」

あの様子からして、角端君はあの時の記憶を曖昧にしか覚えていないのだろう
そして私の態度次第で、記憶が鮮明なものへと変わる

「…皮肉な事を、してくれますね…」

もし何かあれば、彼の笑顔を再び私自身が曇らす事になるだろう
そして…また彼の心を傷つけることになる

「…分かってますよ…もう、あんな事はしない…」

死ねぬというなら、護って行くだけの事
彼の笑顔と、他者を思うその優しき心を

「…帰ったら、無我と一緒にお菓子を作らないといけませんねぇ」

もう二度と、彼を傷つける事がないように
もう二度と、同じ悲劇を繰り返さないように
そう、新たな誓いを胸に立てて
心の底に、暗い闇を隠して…生き続けよう
それがこの悲劇を引き起こした私ができる…せめてもの償いなのだから




※※※※※心の叫び※※※※※
おわったぁあぁぁぁぁぁあ!?!!?!?うわ、無駄になげぇ…orz(お前)
しかし書いてて楽しかったです!ハレタカ様、長く角端君をお借りしていたすみませんでした!
しかもしかも!今回はハレタカ様の挿絵つきですぜ…!?!?
あいやー…しかもそこを描いてくださるとか…!ちょ、ピンポイントで素適度UPUP!!!(゜∀゜)
実は裏設定で、今現在のさっちんはもう死ぬ事自体諦めてます
なので黒いんですよ多分(ぇ)
最初は諦めた理由とかはてけとーにしちゃえと思っていたのですが…角端君のためってことにしちゃおうかしら…(公式か)
「ある者の笑顔を絶やさぬために、死を諦めた」とか
…あ、それいいかも…w(まて、親御さんの了承を得ろ)
しかしこの話を楽しみにしていると言っていただけて、本当に嬉しかった
此処まで書けたのも、皆様からのコメント&萌えのお陰です(萌えも含むんかい)
さっちん、愛されてるなぁと感じました
てかお前が酷い事しすぎなんだって?あぁ確かにそうかもしれません、愛ゆえにですよ(笑顔)←歪んでやがる
しかし私はどうも彼をこんな感じにくらいしか書けないかも…
誰か彼を幸せにしてやってください、娶ってくださっても構いません(マテ)
この話が、少しでも皆様の萌えの活力になるよう祈ってます(それは一部の方限定ではないだろうか)
 

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無題
うわーうわーうわー!!!!!!
な、何か…複雑、です…;;
何だろう ハッピーエンド…バッド…?(何)
良かったのかどうか…!!!分かりませんが…!!!!
あぁもう何を言えばいいのか分からないですが!!!!
そうだ、切ないです!切ない!
ハレタカさんの挿絵が切なさを増幅させる…
とにかくお疲れ様でしたー!!!!(何なんだお前)
シン 2009/10/12(Mon)02:01:15 編集
無題
…!こうして挿絵として入ると恥ずかしすぎます影ノ虚さん…!!!!_| ̄|●ガタガタガタ
いやこれ本当、影ノ虚さんの神文章だけの方が絶対いい…!!!!!!挿絵…いらない…!!!!!!!!!!!
シンさんの言う通り、ハッピーともバッドとも言い切れないというかもうさっちんが根本的に可哀想すぎる設定なんですが影ノ虚さん!!!!!!!!!!!!!
しかしお疲れ様でしたありがとうございましたご馳走さまでした!!!!!!!!!!!!!!
ハレタカ 2009/10/12(Mon)02:40:01 編集
無題
サディスさん切ないです!!
でも不安げな角端さんは凄く可愛らしかったですvv
でも、でもサディスさんっ!!!
凄く凄く面白くて一気に読んでしまいましたが……。
やはり切ない(何回言えばいいの;;)
兎にも角にも、影ノ虚様もハレタカ様もお疲れ様でしたvv
イトル 2009/10/12(Mon)18:04:14 編集
無題
お、お疲れさまでした影の虚様、ハレタカ様・・・!!;;
死を望む者、これにて完結ですね。
サディスさん・・・!(泣)
切なすぎる・・・!
サディスさんが幸せなれることを願ってます!!

それにしても、
うう、番も影の虚様みたいな文才が欲しいです・・・(涙)
そして、今回は影の虚様の神文章+ハレタカ様の神絵という神タッグの作品が見れて幸せかつ、大変泣かせて頂きました!!
これからも頑張って下さい!!
では、乱文失礼しました!
2009/10/12(Mon)20:31:12 編集
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